2014-05-03

春Tのスコア分布分析

今回の春Tはスコアレンジが広いという触れ込みで行われましたが、実際に昨年とどの程度変化したのか調べてみました。

実際のスコアを見る前にスコアについての設定がどのようなものだったかを確認してみます。

大会のブリーフィング

スコアレンジ

2013年: 66-85
2014年: 65-85
このようにレンジ自体は実はほぼ同様なのです。

ジャッジテストで使われた点数の範囲

2013年: 73-76
2014年: 72-80
違うラウンドなので単純には比較できませんが、しかしそれでも80点の印象は強くジャッジには今年のほうが点数を広く使うよう求めているようにとらえられる可能性は高いでしょう。

スコアレンジへの説明を抜粋

2013年
  74-76「ブレイクするかしないか」
  77-79「確実にブレイク、top10スピーカーに入る可能性」
  80-83「GF、SFレベル」
  84-85「確実にベストスピーカー」

2014年
  74-76「2勝はするが、ブレイクするかどうかはサイドやモーションに左右される」
  77-78「トップ16チームに入ってブレイクはする」
  79-80「Quarter Final前後に進出」
  81-83「Semi Final-Grand Finalに進出」
  84-85「よほどよかったときのみ」
これを見るとややレンジが広がってる感はありますがさほどではありません。

実際のスコア分布

2013年は198人、2014年は192人の参加がありました。その一人一人が各ラウンドごとに取った点数で分布をグラフにすると以下のようになりました。グラフの横軸は点数で左が85点、右が65点です。縦軸はそれぞれの年で全体に対してその点数が着いた比率を示します。たとえば2013年に15%が77点を付けられている、と読むことができます。なおスコアは小数点を切り捨てました。


グラフを見ればわかるように2014年は2013年よりも中央の平均点から離れた点数が着くことが多くなりました。標準偏差も2014年が2.54、2013年が1.75でその結論を支持します。74-76に収まるケースは2013年では61%であるのに対し、2014年では47%に減少しました。

ここから形式的なスコアレンジはそのものは実際のスコアリングに大きな影響を持たない可能性が示唆されます。つまり制度上どこまでスコアがつけられるかよりも、ブリーフィングなどで口頭にてレンジを使うようどこまで強調するか、あるいはジャッジテストでどこまで使って見せるかが点数分布を決定する主な要因であることが考えられます。もっとも、レンジが69-81といった狭い大会で、広めに使うようブリーフィングした場合のデータがないため、単なるスコアレンジの広さは実際の広いスコア分布に対して十分条件ではなさそうであることがわかったのみで、必要条件であるのか否かは不明です。

2014-04-28

Debate Resource 1-Books of Debate

日本でも、あるいは海外に行ってもディベートのレクチャーを受ける機会は数多ありますが、本を読んでもディベートの勉強はできます。ということでいろいろと集めてみました。買うと配送に時間がかかるし高いですがpdfで読めるものもあります。

 おすすめ度☆☆☆

Winning Debates: A Guide to Debating in the Style of the World Universities Debating Championships
http://www.amazon.co.jp/Winning-Debates-Steven-Lee-Johnson/dp/1932716513/
pdf : http://idebate.org/sites/live/files/9781932716511.pdf
教科書ではなく、もう一歩進んだレベルでどう勝つかを扱った本。非常に良い。必読。

おすすめ度☆☆

Adjudication: Essays on the Philosophy, Practice, and Pedagogy of Judging British Parliamentary Debate
http://www.amazon.co.jp/Adjudication-Philosophy-Practice-Pedagogy-Parliamentary/dp/1617700673
BPジャッジについてのいろいろな論文的な投稿を集めたもの。Average Reasonable Personはどうあるべきかとかとか。すぐ役立つというわけではないけどなかなか面白い。

The Practical Guide to Debating: Worlds Style / British Parliamentary Style
http://www.amazon.co.jp/The-Practical-Guide-Debating-Parliamentary/dp/1617700169/
pdf : http://idebate.org/sites/live/files/9781617700163-web.pdf
BPの入門用教科書。知っているところも多いかもしれないが教えるときとかに使いやすそう。

Debating in the World School's Style: A Guide
http://www.amazon.co.jp/Debating-World-Schools-Style-Guide/dp/1932716556
pdf : http://idebate.org/sites/live/files/9781932716559.pdf
高校生大会WSDC用の教科書。やや違うフォーマットなもののケース設定の話が非常に詳しく書いてあってなかなか参考になる。なおもともとはAustralia Schoolスタイル向けに書かれていたもので以下でそのpdfが読める。
http://www.learndebating.com/

おすすめ度☆

The Sport of Debating: Winning Skills and Strategies
http://www.amazon.co.jp/The-Sport-Debating-Winning-Strategies/dp/0868406643
1995のWUDCチャンピオンが書いた本。さすがに例に出てくるモーションなど今とはずいぶん違うけど実践的な戦略を扱っていてなかなか面白い。

The Oxford Union Guide to Speaking in Public
http://www.amazon.co.jp/Oxford-Union-Guide-Speaking-Public/dp/0753509555
とりあえず名前がすごそう(笑) 内容としてはごくベーシックなパブリックスピーキングの基礎を扱ったもの。ディベートに特化してはいないし必ずしもこの本である必要はないがいい本。

On That Point!: An Introduction to Parliamentary Debate
http://www.amazon.co.jp/On-That-Point-Introduction-Parliamentary/dp/0972054111/
pdf : http://idebate.org/sites/live/files/9780972054119.pdf
ベーシックなアメリカのディベートの教科書っぽい。といっても即興ディベートのではあるけど。丁寧に書いてあるもののいまいちぱっとしない。

Across the House The Art and Science of World Universities Championship Debating
http://www.amazon.co.jp/Across-Science-Universities-Championship-Debating/dp/0757574106
わかりやすいBPの教科書なものの上のthe practical guide...のほうが詳しい。

おすすめしない

The Debating Book
http://www.amazon.co.jp/The-Debating-Book-Jeremy-Phillips/dp/0868403253/
上のThe Sport of Debatingと同じ著者で内容がずっと少ないものだからいらない。

Debating Values
http://www.amazon.co.jp/Debating-Values-Michael-D-Bartanen/dp/0897873416
アカデミック用。

Speaking, Listening and Understanding: English Language Debate for Non-Native Speakers
http://www.amazon.co.jp/Speaking-Listening-Understanding-Language-Non-Native/dp/1617700819/
主にアカデミック用。